リボーン

□青空なんて見えない
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昨日の天気は曇り。


今日の天気は曇りのち晴れ………。


高校に入学して今日で2年が経った。


入学式も無事終わった、校庭の桜もまるで新入生を優しく迎え入れているように、咲き誇っていた。

僕は中学から続けて生徒会に入った。

まぁ中学の頃より生徒会員もただ席をおいているだけのようなもんで、放課後の生徒会室は僕が殆ど占領している。
そしていつも通り放課後、生徒会室で過ごそうと思い、教室に荷物を取りに行くと、教室に人影があったが、構わず入ろうとした。

でもその人物を見て思わず体を隠してしまった。
教室には同じクラスの男子生徒と女子生徒……

獄寺隼人と三浦ハルがいたのだ………。


獄寺隼人とは確か中学も一緒だったが、三浦ハルとは高校から一緒になった。ついでに去年もこの二人とは同じクラスだった。

最近…この二人がうるさかった。毎日毎日隣で喧嘩をしては、僕に味方につくよう言ってくる。


特に三浦ハルは。
無視をしても懲りずに話しかけてくる。

でも…こんなに近くに寄ってきた人間も初めてだったから、興味がわく………。


……そう考えているのは僕だけじゃないみたいで、僕の考えではね。

多分、獄寺隼人も。


そして今その例の二人が教室にいる。 他には誰もいない。………僕以外。

いつものような喧嘩の声ではなく、静寂を保っている。

…………気になる……。そっと扉に近づいて耳をたてる。

「……。」

「…///あ、あの…ハ、ハルは…//ハ、ハルも…えっと…………///」

「///…まぁすぐじゃなくていいっ//」

「……はい///。」

何分かして獄寺隼人が反対の扉からすごい勢いで出て行った。こちらには気づいていないようだった。

しかし、それ以上に……
先程の会話からして、三浦ハルは獄寺隼人に告白された、と考えられる。

三浦ハルの返事が何故か気になる。

ーガラガラー

扉をあけると音と同時に三浦ハルが僕の方に振り向いた。
「///……あ、ひ、雲雀さん」

赤い顔で振り向く姿を見て、何故か意地悪をしたくなる。

「こんなところで『ひとり』でなにしてたの?」

そんな問いに目を丸くする…

「え…っと///」

…ムカつく。何下向いてんの?いつもなら、目を見て話してくるくせに…
「………知ってるよ。…獄寺隼人に告白されたんでしょ?」

それを聞いて、さらに目を丸くする。
「な、なんで…」

「さぁ……君のことだからじゃないかな?」

自分でもよく分からないことを口にする。

「…え?」
「…それより何て答えるの?」

「…わかりません、まだ…」
一生懸命に考えているのが伝わる…

「でも…嬉しかったんです///」
「……嬉しかったんだ?」
「…はい///」
「………」
「……?」

「……でも、僕も君が好きなんだ。」

「………え」

「今きづいたんだ。だから、僕にも時間を頂戴?」
気持ちを今伝えても、困らせることは目に見えているのに………
君が僕から離れていってしまう前にと思って焦ってしまう……、

もっと話したいこともあるし、一緒にやりたいこともある。好きだとわかった瞬間溢れるようにでてくる。

「…あの///ありがとうございます。…でも…」
「じゃぁ、僕は生徒会だから。…また明日」

「え…、あ…はい、また明日。生徒会頑張ってください。」

生徒会なんて嘘を簡単に信じてくれる。

ただ君の言葉の続きを聞きたくなかったから出た嘘を。


そんな君との日常を無くしたくなくて、『また明日。』と約束をつける弱いこの僕に…


君は決して振り向くことはなかったけれど、


優しい君と弱い僕の間に『また明日。』という約束だけは、未だ不滅。

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