おお振り
□右斜め前の横顔
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もごもご何言ってんだか最後の方は聞き取れなかった…
「でも、こんな影で頑張ってくれてたんだな。篠岡には感謝してもしたりねぇな。」
「あぁ、そうだな…」
何で今まで気付かなかったのか。…でも、この席になってわかった…
それから、何度も篠岡の仕事を垣間見ることができた。
ったく部活でも忙しいのに、こんなんじゃいつ休んでんだ?
頬杖をつきながら、休み時間走り回っていた斜め前の人に目をやる。
今は授業中…
(授業中に寝たりしないんだな…よくできてんなぁ)
としばらく眺めていると……
カクンッ
「っ!?」
(あ。今こいつカクンッてなった。)
ぶんぶんと頭を振っている。目を覚まそうとしているのか…
でも、また…カクンッ
(ぶっおもしれ〜)
その後も繰り返しその動作。
どうやら真面目な篠岡でも、この午後一の授業の眠気には耐えられそうもないようだ。
秋といってもまだまだ暖かいし…コイツ
は働き過ぎだし…。
ったく、三橋で手いっぱいなのに、心配事がまた増えそうだ。
でも、んなこと本人に言ったら怒りそうだし、
隣でも前でも後ろでもない
斜め後ろから少し見守っててやるか。