書庫(D.Gray-man小説1)

□永久性夢物語
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子供が夢見る物語なんて物は、所詮ただの夢物語にすぎない。
その証拠にホラ、虚像の幻が俺を惑わすんだ。



どれだけ歴史を記録しても、どれだけ闘っても、俺にあるのは『ブックマンの後継者』という未来だけ。
この世界に、俺は存在していない。
寧ろ、俺が世界に合わせている。
だから、俺という存在はない。
真実と偽を見極める事……それが俺の唯一与えられた存在意義だ。
幼い頃から、それだけを教えられてきた。
そして、その頃の俺は、いつか俺を受け入れてくれる場所があると、そう信じていた。
くだらない夢物語を空想しているにすぎないという事も判らずに。



子供の物語は、夢物語。
だからホラ、真っ白な未来が、虚像の幻が俺を惑わせるんだ。
その先には、世界の枠を越えた人々を惑わし続けるピエロの部屋。
END
 

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