書庫(他小説)

□サヨナラgood-bye.
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『アーサー好きだよ!』

子供の頃、彼に会う度に言っていた挨拶代わりの言葉。
彼はいつもふわりと微笑んで温かな手で優しく頭を撫でてくれた。

『俺もだよ、アルフレッド』

そう、彼が返してくれたから。
俺は飽きもせず、その想いを言葉に乗せ続けた。
いつからだろう。
彼に対する感情が複雑になったのは。
大好きだ、愛してる、でも君は俺を『小さな弟』としか見ないから、大嫌いだ。
あぁ、俺はこんなにも好きで嫌いなのに。
どうしたら君は大人の俺を認めてくれるんだい?

(……そうだ、彼から独立しよう)

思い詰めて出て来た打開策はこれで。
きっと酷い戦いになるだろう。
大英帝国として世界の頂点に君臨する君に牙を向けるなんて、植民地にあるまじき行為だ。
それは許されない大罪で、俺は英国軍によって死んでしまうかも知れない。
それでも彼に俺の存在を知らしめるにはそれしか方法がなかった。
ごめんね、イギリス。
いつまでも君の愛する家族でいたかったよ。
でも俺は、

(イギリス、君から独立する)
END



後書き
純エゴ長編小説を書こうと思ったけど全然書けなくてむしゃくしゃして書いた。
独立直前の米の話は以前から書きたいと思っていたので満足です (^ψ^)
 

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