書庫(他小説)

□I pull a trigger.
1ページ/2ページ

2人揃って横に並び、標的を見据えて銃を構えた。
狙いを定め、引き金を引く。
銃口から白い煙が立ち上ると共に、独特の爆発音と火薬の香り、鉛玉が落ちる音。
的の中央に当てた俺と違い、彼のは僅かに右に逸れていた。
結果は判っていた。
俺に銃を教えたのは彼だけれど、今や俺の銃のテクニックは彼以上のものになっていたから。
負けたのが悔しかったのか、それとも外したのが気に喰わなかったのか。
ちっ、と苛立った様に舌打ちする。

「アルフレッド、お前の勝ちだ。約束通り、何か一つ願い事を聞いてやる」

そう言われ、願い事など初めから決めていたのに、わざと考える様な素振りをしてみせた。

「うーん、そうだね。じゃあ……――」

俺と付き合ってくれないかい?



(君の心を撃ち抜くのは、もう時間の問題)
end
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ