短編パロ
□神無月
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「追えー!逃がすなっ」
大の大人が数十人追うのは小さな子供だった
何処に消えたか子供の姿を見失う
ちっと舌打ちしてまた大人達は闇の中に消えた
「どぅしよう…かか様に叱られてしまう…」
何とか大人から逃れた子供は大きな庭に佇んでいた
何処だか解らないことに泣き崩れそうになる
「誰だ」
屋敷から声が聞こえるが隠れる場所もなく子供はうろたえる
「あ…ぅ…」
何時も母から人間に見つかったら捕まって利用されてしまうよ、と言われていた
から子供はまた涙を零す
「…こちらへこい」
有無言わさぬ声に子供は怖ず怖ずとその大人の本へよる
「名は?」
今までの刺々しい声とは違い何故か揺らいだ声に子供はほっとする
「あれるや…」
そうか、と大人はぽんと頭に手を置き
「こちらへ来い」部屋に上げられる
「菓子は好きか?」
微笑まれ、なんとも嬉しくなった子供−もといあれるやはコクコクと頷いた
目の前に現れた菓子はお星さまのようであれるやは目を輝かせながら頬張る
口の中では甘みがほんわかと広がり
大人に追われ疲れ果てていた身体に染み渡る
「美味いか?」
「っはい!」
満面の笑みで返され男は綺麗な顔を微笑ませる
「あの、ぼく、おじゃまじゃないですか?」
眉を下げてあれるやが言うと男は首を振る
「久しぶりに心休まった、夜に迎えが来るだろう、しばし休め」
その言葉はあれるやにはよく理解しえなかったが
ほっとしたのかコテンと寝入ってしまった
その顔を見てまた男は笑みを漏らす
子供を抱き抱え自分の膝に置く
サラサラと風で髪が靡くと子供と男に人影が出来る
「久しぶりだね」
「あぁ」
いつの間にか庭には一人の男がいた
「この子が迷惑かけちゃったみたいで、」
ごめんね、と、しかし嬉しそうに言った
「お前によく似ている」
「だって僕の子供同然だもの」
縁側に座り話しを続ける
「あとちょっとだよ…この子が正式に稲荷の力を受け継げば」
僕は君のものになれるー
嬉しそうな、はかなげな顔で男は言う
「人間の俺には到底長いがな、もうお前にーーを奪われてから20年はたっている
」
「貴方は神になる、僕は貴方に仕える為に2000年待ったよ」
涙をホロホロと流す男に先程子供にしたように頭を撫でる
「やっと、この子に託すことが出来る
20年前の約束を、違え無いでくれるかい?」
男はふと口を緩ませ
「俺はお前を得る為だけに存在しているんだ」
その言葉に男は涙を流して喜んだ
END
意味不明だったらすみません。
ニュアンスで読んで頂きたいので設定書く気は無かったのですが
解りにくいので続きませんが以下設定
名前が出てこないので??になるかもしれませんが
ティエリアとアレルヤです設定としては
アレルヤは2000年生きてるある場所の土地神−お稲荷様です。
で、ティエリアは人間ですが死んだら神になる存在です(このへんは流してください/笑)
20年前にティエリアに出会ったアレルヤはティエリアに仕える為に土地神の地位
を後継者に託す決意をします。それがあれるや。
別にアレルヤの子供なわけではなくアレルヤの分身と考えて下さい(でもあれる
やはアレルヤをかか様と呼びます)
こんなかんじf^_^;
お気に召していただければぽちっと^^