短編パロ

□ニール
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23話を見て勢いで書いちゃった死亡SS・・・
最初暗い。
読む人を選ぶSSなのでご注意ください。












「ロックオン・・・ストラトス・・・」
目の前で、愛する人間が消えた。
しかも自分自身が口走った行為のせいで、それでも、もう少し早く自分が駆けつけることが出来たなら
彼は死ななかったのに



「ぐっぅ・・・」
胃の腑がこの頃気持ち悪い・・・ロックオンが死んで、眠れなくなった。涙も、枯れた
多分、CBの皆も、隈を作り戦争根絶のため彼がこの世に居なくても、自分達の使命をこなさんと言い聞かせているのだ
身体の不調を訴えている場合ではない。
この使命が無かったら、俺はすぐにでも彼の後を追ったのかもしれない。
神は、いない
いたなら、彼は死んでいない。
彼は何も悪いことをしていないのに、彼の両親を殺した俺が生き、何もしてない彼が死んだ
あぁ、俺はなんて生きる価値の無い人間なのだろうか
「・・・っくぅ・・・」
気持ち悪さが達しトイレに急いで駆け込む
今日で何回目なのだろうか、胃の中にもう消化物は存在しない、胃液だけが口から吐き出る

「刹那!!」
後ろからミス・スメラギの声がするものの動けず目線だけそちらに向けると青白い顔をして背中を摩ってくれていた
「大丈夫?あなた、この頃無理しすぎよ?肋が浮き出てるじゃない・・・」
何故彼女が涙目になっているのだろうか・・・
そうか、泣きたいのは彼女も同じだ。大事な仲間を、マイスターを失った
「だいじょうぶ・・・だ。」
ようやく吐き気も収まったのに、中々動けない
こんなとき、彼が居たらいつも仕方ないな、と腕を引き持ち上げ、自室に連れて行ってくれた
涙が
溢れる
「刹那・・・」
ぎゅっと、母親のように抱きしめられる。彼を殺した張本人なのに、皆に心配してもらう資格なんか無いのに
「一度、見てもらった方がいいわ。あなた、この頃寝てないし、食も無い・・・皆心配してるわ」
いいといっても無理やりにCB専属医の居る部屋に押し込まれる

金髪でサングラスという風貌はかなり怪しいが腕は立つ
でも俺は何処も悪くない
「刹那、一応精密検査するから、これに着替えて・・・ああ、着替えたら呼んでくれ」
恥ずかしがるような身体なんか持ち合わせてないけれど、この身体を見せるのは、いままでもこれからも
彼だけのような気がする。愛し愛された、俺には勿体無い愛情をくれた彼だけ

着替え精密検査を受ける準備をし、
少一時間の検査をした後スメラギ・李・ノリエガが部屋に駆け込んできた





「刹那!!」
「・・・?何・・・」
「あなた・・・!お母さんになっていたのね・・・」
涙目で無重力の中スメラギの身体が刹那の身体を包み込む
「・・・どういう・・・」
「そのままの意味よ・・・!!あなたのお腹には・・・子供が・・・」
目の前が真っ白だ。
恐る恐る自分の中心に手をあてるがそこには何のふくらみも無い。それよりも浮き出た肋骨のほうが気になる所だ
「・・・まさか・・・」
「本当よ!!3ヶ月ですって・・・!」
ほら、と先ほど受けた精密検査のなかでエコーをしたことを思い出す
その写真には確かに、小さいが自分と彼の子が写っていた
残してくれた、戒めを
残してくれた、形見を
残してくれた、生きがいを

お腹を摩ってもまだ解らない
それでもここにいるというなら、
俺は大事にしようと思う

「ロックオン」
お前の名前を呼ぶのは、もうこの子が生まれるまで、自重しようと思う。
それが俺の誓いで、お前への精一杯の謝罪だ








「目が大きいし!可愛いわ!」
CBは戦争根絶という宿命を未だ背負い、生と死を間近に戦っている
その中で、ガンダムエクシアのパイロット、刹那・F・セイエイは、1年前から戦争根絶に参加はしなくなった
彼女自身の戒めと、彼女の生き甲斐を生かすために
しかしその期間は終了し、彼女は子供をつれ、宇宙に戻ってきた
彼女が抱えていた子供は亡くなった彼にそっくりで、茶色いふわふわした髪を無重力で浮かせながら
目の前の住民をぱちりとした目で見つめていた
「刹那!名前は?」
「・・・ニール」
「ニール・・・」フェルトがちらりと刹那を見る
「ニール・L・セイエイ」
本当は、性も彼の名前を上げたかった。何時か法律が変わって、性も変えられれば。
この子には「ニール・L・ディランディ」と、名乗って欲しい。
「この子の為に、生きなければいけないわね」
「・・・あぁ」
「じゃぁエクシアには・・・もう」
「いや」
え、とその言葉を信じられないような顔で皆刹那の顔を見る
「俺はどうあろうとガンダムマイスターだ」
これからもエクシアには乗る
戦争根絶を
自分と彼に誓ったから

「でも、それじゃニールは・・・」
このままトレミーに乗せるということは危険だ。
命の保障は出来ない。
「・・・アイルランドに、住もうと思う」
彼の生きた、土地に
「きちんとエクシアには乗る。宇宙での、ミッションは難しいかもしれない。
でも、出来る限りニールとも一緒にいて、ミッションもこなせるようにしたい」
「でもそれじゃぁミッション中誰がニールの面倒を見るの!?」
「こいつがいる」

目線の先には

『ハロ!ハロ!』
彼の相棒だ。

「でもハロじゃ・・・緊急の時にニールを病院に連れて行ったり、火事の時に助け出したりすることは出来ない!」
母親っていうのは、いつも子供の側にいなきゃいけないの!と意気込む彼女に向けていえる事は
「ニールが生きる世界に、戦争は必要ない」
その為に、俺が出来ることを精一杯する。もちろんミッション中は知り合いに預ける。
ハロも一緒に。
そういう人間を、探し出した。
「俺が出来る、精一杯の母親を、ニールには見せてやりたい。
父親の分も、生きる世界には沢山の人間が居て、何が起こっているのか見せてやりたい」
「・・・刹那・・・」

「じゃぁ誓って!!」
声を張り上げたのはフェルトだった
「誓って!ロックオンに、ニールに・・・死なないって・・・ニールや私達を残して死なないって!!」

エクシアに乗っている以上死とは隣り合わせだ。
無理な願いだと皆解っている
解っていても

「そうよ。ニールを孤独にしてはいけないわ。
絶対・・・
死なないで」

その言葉に刹那は
口の端を上げ
「解っている」

腕に彼の忘れ形見を抱いて





「ロックオン、俺は誓うよ。
お前との約束と、ニールへの約束の為に」

腕の中の子供が
ぎゅっと袖を掴み見上げてきた

END

オフはマイスターになるのでしょうか・・・?ライル?
マイスターになったらせっちゃんはどうなるのでしょうか・・・
泣いちゃいそう。
マイスターじゃなくても、出会ったら
大きな目をそれ以上無いくらい大きくして
泣いてしまいそう。

むしろ私が泣く。

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