OOLESS(Long ss)

□耳落ち
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ひょこ。

嬉しいときには両方の耳が動く。

ひょこ。

撫でて欲しいときには
耳が垂れる

ふり

構って欲しいときには尻尾が揺れる。

ちょっとの動きだけど俺にはわかる。


「刹那〜・・・耳触らせてよ」
「ヤダ」

ツンと
こういうところは歳相応の反応だと感じる
こんなにつれないと涙が出てくるけど。

でも、
耳は撫でて欲しそうに垂れている。

素直じゃないんだから

「あれ、アレルヤ、ティエリアは?」
部屋の隅にいたアレルヤは1人で尻尾を毛づくろいしていた
別に俺たちには毛づくろいは必要ないんだけど、
アレルヤは何処か潔癖な所があるらしい

「わかんない。本読んでたけど『五月蝿い』ていって出てった」

う・・・そんな・・・
五月蝿かったか・・・?二言三言しかしゃべってない気がするけど・・・

「ごめんな、アレルヤも五月蝿かった?」
「ううん?別に」

首をかしげて否定するアレルヤはなんとも可愛い。
刹那に対する可愛いとは違うけど、可愛い弟って意味での可愛い・・・かな。

刹那がへそまげてパソコンに触りだしたので
俺はアレルヤの座っているソファに腰をかけてアレルヤの尻尾をブラシで梳かすことにした
刹那と違いアレルヤはかなり気に入ってくれたのか
嬉しそうに体育すわりをしながら大人しく尻尾を梳かすことを承諾してくれた。

尻尾と梳かしながら俺は思った
アレルヤとティエリアはお互いが気になる存在なんだろう。
なのにティエリアは誰とでも距離をとって行動する性格のせいか
アレルヤとも必要以上に接しない。
もちろん尻尾を梳かすなんて仕草は言語道断だろう。
だったらアレルヤの尻尾を梳かすのは仲間内は俺だけだろう、刹那がやるとも思えないし。
こういう行為を許してくれるのは信頼の証だ。
それだけでも嬉しいことだ。

「どうした?」
アレルヤが不思議そうな顔で俺を見ていた

「え?なんで?」
「嬉しそうだからさ」

やばー顔に出てたか!?
ティエリアいなくて良かったかも・・・

「いや、なんか嬉しくてさ」
「ふぅん?」

解ってないようだったけど
アレルヤはまた大人しく尻尾を梳かれていた


俺たちは一定の行為をすると
耳と尻尾が無くなる。
耳も尻尾も猫と同じようなものだからなんとも可愛い

ま、俺はやることやってなくなったわけだけど・・・
ティエリアまでもが無いと相手誰だ!?と不思議(失礼)に思うのは俺だけではないはずだ

刹那はあの年齢だからまだいいとして
チラっとアレルヤを見やる

アレルヤは19歳だから・・・まぁもう耳落ちしてもいい歳なんだよなぁ・・・
と考える

「アレルヤー・・・」
「ん?」

「俺が耳、落としてやろうか?」
「え・・・?」

『バキッ』『ゴス!』

「いてぇーーーー!!!」

俺が言い終わる前に俺は分厚い本の角と飛んできたパソコンに顔面を強打された
痛いとかそんな次元じゃない。

「いってぇー!!!なにすんだティエリア!!」
そうだ、なんでコイツがいるんだ

「お前、死ね」

ティエリアはアレルヤの手をいつもの仏頂面以上の顔をしながら無言でアレルヤの手を引いて部屋を出て行き
パソコンを投げつけただろう刹那までもが
物凄い形相で部屋を出て行った

「・・・俺・・・
なんか悪いこと言ったか・・・?」

『バカ!バカ!ロックオン、バカ!』

「なんだよハロまでー!!
俺なんで叩かれたんだよ・・痛い・・・」

『・・・ティエリア、スゴイオコッテル、セツナモ、オコッテル!
アレルヤ・・ワカッテナイ・・・』




END


天然アエリアと悪気の無い兄貴が書きたかったのさ。
なんだかんだでアレルヤをティエリアは大好きだといい。

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