OOLESS(Long ss)

□ハレルヤとティエリア
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アレルヤに貰ったマグカップは紫色で少し赤が入っているようだった。

「ティエリアに似てたから」

とはみかみながらそれを渡してくれたときの顔がなんとも忘れられない。



「ティエリア」
「・・・ハレルヤか」

厄介だ。
コイツは本当に厄介だ

「そんな顔はするな。
俺の中でアレルヤは眠ってる。
この会話はアレルヤには聞こえないんだからな」

そんなこと心配なんかしてない。

ジロリと睨むと
いやらしく笑う。こいつのことは良く解らないが
アレルヤとは違う「モノ」なことは確かだ。



「そのマグカップ買ったときのアレルヤの顔、忘れられねぇよ。
嬉しそうな顔で宝物を見つけたような顔しやがって」
「そうか」
「面白くねぇやつ」

ふんっと鼻で笑うこいつは悔しいのだろう
自分以外にそう心を開くやつを見ることが。

「所詮お前はアレルヤの中でしか生きられないんだ」
「・・・本当お前は最悪な人間だな」
「言われなれている」
「その女みたいな顔をしてアレルヤを抱くのか」


顔は関係ないだろうと
言いたかったが

その時のハレルヤの顔が苦虫を磨り潰したような顔ではなく
泣きそうな顔だったからだろうか
柄にも無く何もいえなかったのは


「お前がアレルヤの耳を落とすのか・・・俺には出来ないことを・・・
お前はできるのか・・・」



ふっとその瞬間俺に向けられていた殺気が消えた

あぁ・・・

「アレルヤ」
「あれ・・・なんで僕ここにいるんだろう」

ハレルヤの意思の中で眠っていたアレルヤにはこの状況を理解できずにいる

俺とハレルヤが話していることを
アレルヤは知らない
だからこの状況をアレルヤに知られるわけにはいかない

だから俺は今日も何も知らないふりをする

見たことを見ていないといい
知っていることを知らないと言う

まるでピエロのようだ



END


ティエリアがハレルヤの存在を知っていることを
アレルヤが知らないといい。

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