Long Story -Random

□冷酷なのは誰? 
1ページ/1ページ





日本人というものは、自分のことを卑下するのが得意であり、また、海外に出てみれば、コンプレックスを感じやすいものである。




「は、はじめまして」

「どこから来たの?」

こんな会話が繰り広げられた一年生の春。
私ははるばる日本からこのホグワーツに来ていた。
私のようにアジアからわざわざ来ている人は少ないようで、みんなきれいなブロンドをなびかせていた。


それになによりみんな英語が上手い。




「こ、こんにちは、私、日本から来たの」


「…もう一度言ってもらってもいいかな?」


…通じなかったんだわ。


それから私はあまり周りの人と話すこともなくなった。
自分の英語に自信がなかったからだ。
それに、私がいないところで私の容姿を珍しがっているのは知っていた。
なんとなく、他人の空で生きているような感じがしたのだ。










.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ