Long Story -Random
□冷酷なのは誰?
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日本人というものは、自分のことを卑下するのが得意であり、また、海外に出てみれば、コンプレックスを感じやすいものである。
「は、はじめまして」
「どこから来たの?」
こんな会話が繰り広げられた一年生の春。
私ははるばる日本からこのホグワーツに来ていた。
私のようにアジアからわざわざ来ている人は少ないようで、みんなきれいなブロンドをなびかせていた。
それになによりみんな英語が上手い。
「こ、こんにちは、私、日本から来たの」
「…もう一度言ってもらってもいいかな?」
…通じなかったんだわ。
それから私はあまり周りの人と話すこともなくなった。
自分の英語に自信がなかったからだ。
それに、私がいないところで私の容姿を珍しがっているのは知っていた。
なんとなく、他人の空で生きているような感じがしたのだ。
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