頂き物

□想定外のプレゼント交換
2ページ/5ページ

こんこん。

「?」

「失礼します」  

 そこへ登場したのは碧珀明。

「珍しいな、どうした」

 ぺこり。

「吏部侍郎様より、火急の御呼びでございます…」

「絳攸が?」

「はい、お茶の御呼ばれがどうとか」

 ばびゅん。

 すわ、兄上の件かと黎深は疾風のごとく、飛んでいった。

「全く、何しに来たんだか。いつもの事だがな」

「…嘘ですがね」

「!」

「絳攸様も同意された上です」

「何故だ?」

「これが理由です」

 薄様の白い文。

「では、私はこれで」

 鳳珠は奥の間で、其れを開ける。

「今夜は、そちらに参ります」

 秀麗の字で書かれた文章。

(悪戯ではなかろうな…)

 絳攸も秀麗も、そんな事をするような人間ではないが、絳攸を騙る人間なら居よう。

 碧珀明も頭は良いが、人まで美化する故に、騙される可能性もある。

 それでも鳳珠は、仕事の手を早めた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ