頂き物
□想定外のプレゼント交換
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こんこん。
「?」
「失礼します」
そこへ登場したのは碧珀明。
「珍しいな、どうした」
ぺこり。
「吏部侍郎様より、火急の御呼びでございます…」
「絳攸が?」
「はい、お茶の御呼ばれがどうとか」
ばびゅん。
すわ、兄上の件かと黎深は疾風のごとく、飛んでいった。
「全く、何しに来たんだか。いつもの事だがな」
「…嘘ですがね」
「!」
「絳攸様も同意された上です」
「何故だ?」
「これが理由です」
薄様の白い文。
「では、私はこれで」
鳳珠は奥の間で、其れを開ける。
「今夜は、そちらに参ります」
秀麗の字で書かれた文章。
(悪戯ではなかろうな…)
絳攸も秀麗も、そんな事をするような人間ではないが、絳攸を騙る人間なら居よう。
碧珀明も頭は良いが、人まで美化する故に、騙される可能性もある。
それでも鳳珠は、仕事の手を早めた。