頂き物

□想定外のプレゼント交換
3ページ/5ページ

半信半疑で、夜が来た。

「黄尚書」

 庭に秀麗の姿。官吏の服ではなかったのが嬉しい。

「入れ。そこでは冷える」

「お、お邪魔します。あれ、景侍郎さんは…?」

「休みをやった」

(そ、それじゃ二人っきり?)

「ええと、お二人にクリスマスプレゼントを持ってきたんです」 

「…」

 がさごそごそ。

「洋菓子は苦手かなと思いまして、ケーキに見立てた和菓子を」

 鳳珠は指をさした。 

「…」

 机に景侍郎が用意した物が並べてある。

 アルコールが無い、シャンパンも急いで鳳珠が用意した。  

「それは、明日頂こう。柚梨は残念だが、またの機会だな。今日は時間はあるのか?」

「はい。其れを頂いていいんですか」

「そのつもりで置いてある。邵可殿はお元気だろうか」

「まあまあですね。いつも通り、府庫に入りびたりですから…」

 他愛無い会話が続く。

 それでも鳳珠はクリスマスをこうして秀麗と過ごせて、この上なく幸せを感じる
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ