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□「膝枕」 31000hitキリリク小説
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彼女が笑う顔よりも、その瞳で見つめられた方が清雅は好きだった。

その瞳で彼女は言う。

「愛してるからよ」

予期せぬ言葉に清雅は一瞬我を忘れたが、すぐにいつもの不敵な笑顔を取り戻す。

「お前からその言葉を聞けるなんてな。なら、俺にその"愛"とやらを感じさせてみろよ」

「後悔するわよ」

「ぜひ後悔させてほしいぜ」

清雅がにやりと笑って言うと、秀麗は膝の上の彼に顔を近づけた。

さらりと黒い髪が清雅の頬に触れる。

秀麗の瞳が閉じられ、紅く色づき艶やかな唇が清雅に近づいてくる。

彼は瞳を閉じるのを忘れて彼女に魅入った。

秀麗がそっと清雅に口づけた時にようやく彼は瞳を閉じる。

彼女の唇が離れ、清雅は瞳を開けた。

彼女の開いた瞳には、今は自分だけが映っている。

「どう清雅?"愛"は感じられたかしら」

真摯な瞳とぶつかり合う。

清雅は笑った。

「ああ、やけにド下手な"愛"の表現だったぜ?」

そう言って清雅は体を起こし、逆に秀麗を組み敷いた。

「俺が教えてやろうか」

秀麗の頬にかかる髪をはらい、瞼に口づけを落とした。

「口づけってのはこうするんだよ」

清雅は秀麗を求めるように、唇を奪った。

甘く、優しく、強引に。

互いの吐息で、閉じられた瞼がふるえた―――。





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