●SOUTHPARK●
□死んでも言えない
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『あ゙ーっ!!!』
また始まったか
さっきまで隣で一緒にわりとおとなしくテレビを見ていたはずのトゥイークが自分の髪の毛を引っ張りながら奇声を発している…
「おい。やめろって…」
手を掴んでとりあえずは髪を引っ張るのをやめさせるが体の震えがいつもにましてひどい
軽くパニックになってるようで言っていることがめちゃくちゃで訳が分からない。
「ううあぁあ…もういやだぁあ!し…死んじゃうよぉお!僕死んじゃうんだああ!」
「いやだじゃねぇ!死なねぇから安心しろ!!落ち着けって!!」
こいつはカフェイン中毒だからやたらにコーヒーを欲しがる
最近は克服させるために1日にコーヒーを飲む回数を減らすようにさせているから前よりまだこうなることも少なくなってはきたが…
コーヒーが欲しくなるとやたら落ち着きがなくなってたまにこうなる時がある
もう慣れたもんでオレは一緒にいる時間も長い分対処方法も知っている
「ほんっとうお前どうしようもないな!!」
無理やり両腕を自分の腕の中に抱え込んで抱き締めてキスをする
不思議といつもこうするとさっきまであれだけ暴れてたのがウソみたいに静かになる
しばらくしてそっと唇を離すとトゥイークはうつむいてオレの胸の辺りに額をつけてもたれかかり深く息を吐いた
ぐちゃぐちゃになってしまった髪の毛を頭を撫でるついでに整えてやる
「落ち着く…」
トゥイークはそうつぶやくと俺の背中に手を回すとぎゅっと抱きついてきた
正直あいつから抱きついてくるなんて初めてだし『落ち着く』なんて言葉も初めて聞いた
俺は驚いたあまり頭を撫でていた手を止めてしまった
「…俺頑張るから…クレイグが居てくれるとなんだかすごい頑張れるから…」
「ん…。」
なんだか照れ臭くて適当に返事したふりをした。
本当はすごい嬉しかったなんて
そんなこと恥ずかしくて死んでも言えない。