●SOUTHPARK●

□優しい温もり
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吐く息は白くビロードの夜空へと舞い上がる

夜も深まり寒さは増してまるで肌をさすかのようだ

冬は好きだ

空が近くみえるから

手を伸ばせば星に届きそうで思わず手を延ばしてみたくなる

バターズはしばらく見とれていたが行かねばならない場所があることを思い出し急いで小走りで駆け出した






サウスパークの外れにある小高い丘に一人の少年が立ちすくんでいた

少年は肩をすぼめると両手に息を吐きかけてこすりあわせた

二人で出かける発端になったのはバターズの『サウスパークで一番星が見えるところにいってみたいな』という学校での他愛もない会話からだった
去年のこの時期父親と星を見に行ったときに連れていってもらった『サウスパークで一番星の見える場所』と説明された場所を思い出したので連れてってやるよと言ったのが始まり…

「クレイグ!遅れてごめんねー!」

クレイグと呼ばれた少年は声の聞こえたほうへと振り替えるとその声の主へと中指を立てた

「…おせぇんだよバターズ」

「えへへ…ごめんごめん…」

バターズは持ち前のマイペースさでそれをかわすとクレイグのとなりに立ち空を仰ぎ見た

先程よりもより沢山の星が目の前に輝いている

バターズはなんだか嬉しくて仕方なくて思わずはしゃいだ

「すごいや!俺こんな沢山の星生まれてはじめてみたかも…本当によく見えるね…」

はしゃぐバターズとは対照的にずっとクレイグは黙って空を見ていた
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