●SOUTHPARK●

□衝動
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「おい。クレイグ最近やけにバターズと仲いいじゃねぇか」
カフェテリアで昼食をたべているとエリックがニヤニヤといやな笑みを浮かべて何かもの言いたげに横に座ってきた

俺が大嫌いな奴

「別にお前には関係ねぇだろ。」

中指を立てて見せて相手にするだけ時間の無駄だと思い軽くあしらっておこうとしたが相手はしつこく話を聞かせてくる

「おいらこの間バターズと遊んだんだけどよ。あいつずっとお前の話するんだぜ。」

「それで??」

「なぁ。クレイグ本当はおまえらゲイなんだろ?白状しちまえよ。」


バターズのバカもエリックなんかとあそんでんじゃねぇよ。

面倒くさくて一秒たりともこの場に居たくなくて残り少なかった昼食の残りを急いでたいらげた

「なぁクレイグどうなんだ??」

俺はトレイを持つとさっさと席を立とうとしたその時相手は信じられない言葉を発した

「こないだバターズとヤった」

頭の中が真っ白になって気付いたらエリックを殴っていた

エリックは何が起こったかわからない様子で殴られた方の頬を手で押さえて床にへたりこんだ

頭のなかで思い出したくもないはずの先程の言葉が何度も繰り返し響く

頭に血が上った俺は一発じゃ気が納まらなくてまたもう一度殴りにかかろうとしたところで騒ぎを聞いてやってきたシェフに取り押さえられた


その後大人達にはこっぴどく怒られて放課後はカウンセリングルームにいくよう指示をうけた
みんなに理由をしつこく聞かれたが『おまえらに言ったっていくらもわかんねぇよ』といつものように中指を立てて終始黙っていた


放課後マッケイの一通りの尋問のあとようやく帰っていいって許可がでてカウンセリングルームから出ると廊下にぽつんとバターズが立っていた…妙な気まずさが立ちこめる

「エ…エリックから聞いたよ…」
「それ以上しゃべんな」

また俺は中指を立てる

「ち…ちがうんだよ…俺エリックとなんか寝てない!」「言い訳なんか聞きたくねぇんだよ俺は帰る」

バターズを突き飛ばして早く先へ歩こうとしたがバターズはよろけながらも俺を追い掛けてくる

「しつけぇぞ」

「違う。本当にそんなことしてないから…。エリックがクレイグを騙すためについた嘘なんだよ!」

思わず驚いて立ち止まった
「あの後教室でずっと俺、おまえらゲイって…からかわれたよ…」

…じゃあ俺はまんまとエリックの策にかかってキレたってわけなのか…

本気で怒ったのがバカらしくてそんな自分に呆れてしまった

「はやくしろ…一緒にかえんぞ」

もたもたしているバターズを急かす

「う…うん…あ…あれ!?もう怒ってないの??」
「帰ってレッドレーサーみなきゃ。」



しかし困ったことになった


俺は自分でエリックの嘘に騙されて墓穴を掘ってしまったことになる…

これでもう二度目だ

何か衝動でキレるなんて

とてもじゃないがクールじゃないな…
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