●GIOGIO●
□BABY PLEASE GO HOME
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暗殺の仕事以外に普段やっている仕事を終えてようやく夜九時ごろ家に帰る
普段しがないマジシャンの見習いをやっている俺は朝から晩まで公演の助手など手伝いをしたり時には人前で得意の鏡に出入りする芸をやってみせたり(もっともこれはあくまでマジックということで押し通しているが…)といった大忙しでかなりハードな日々を送っている
汗まみれになってべったりとした体を一早くどうにかしたくて帰宅して直行するのはいつもバスルーム
今日もさっさとシャワーを浴びて部屋着に着替えるとテレビを点けてのんびり寛いでいた
11時すぎたころだろうか誰かがドアをノックする音が聞こえたのでおそるおそる玄関へ向かう
夜も遅いので不審者だったら困るとのぞき穴から確認するとそこには見慣れた赤毛の剃り込みの入った坊主頭が居た
はぁん…大方酒のんで酔っ払ってフラフラうちにきたって寸法だな…
ドアを開けると予感は的中
猛烈に酒臭い
190cm近くはある大男は容赦なく俺にもたれかかってきた
酒の匂いに混じってほのかに女物の香水の匂いがする
柄にもなく俺は激しく嫉妬し同時に怒りで頭に血が上った
自身でもわかるほど顔が真っ赤になっているのがわかる
ああ…"また"女と遊んできたんだ
もう何回目なんだよ
「ただいまぁ…」
ふざけるな…なんだと思ってるんだ…
「自分のうち帰れ。」
「ん??なんだよ?何怒ってんだイルーゾォ?」
「自分のうちかえれってば!!バカッ!!」
そう叫んでホルマジオの左頬を平手ではたくと俺は家を飛び出した