●その他●

□バスルーム
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締め切ったカーテンを風が揺らしてそこからこぼれる光がフローリングの床にラインを作るのをただ見ていた

セックスのあとの汗がべったりとしていて気持ち悪い…

あと数時間したらバイトに行って朝まで12時間労働して…それから次の日は…

色々なことを無意識に脳内で反芻して居ると後ろでずっとごろごろしていた彼が腕に触れた


「なにぼーっとしとるん?」

「別になんでもなかよ…」
「ふーん」


私は立ち上がりバスルームへ向かうと湯ぶねにバスソープを入れながらお湯を溜めはじめた


「俺も一緒にはいってええ?」

後ろ聞こえる声にあたしはそのまま「ええよー」と答える


後先考えず行動する彼はバスルームへやってくるとおもむろに服を脱いでまだいくらも溜まっていない浴槽へしゃがみ込んだ

長身の大の大人が丸まってしゃがみ込んでいる姿はなんだか間抜けで思わずにやける

「なにわらっとるん?」

不思議そうに彼が私の顔を覗き見る

「いやなんかこの光景が笑えるなぁなんて思ったんよ」

「あ…バスタオル忘れたわ」
「…はいはい…」

さすがB型ともいえようか自分から聞いてきて答えさせておいていきなり『バスタオル忘れたわ』には呆れた

もう付き合いも長くなるので特に今は気にもならない
当たり前とは怖いものだ

あたしはクローゼットの奥からバスタオルを二枚とってくるとすぐに戻って今度は自分が服を脱いでバスタブへ入る


バスソープがいいにおいで気持ちがいい


肩までつかってため息を吐くと天井を仰ぎ見た

「なぁ?」
「なに?」

「お前…俺との将来とか考えたことあるか??」

「なにいきなりそんな話題?」
あたしはびっくりして顔を彼の方へ向ける

「俺はまだまだやけんさ…ちゃんと色々考えてるんよ?お前と子供ちゃんと養っていける一人前になりたい思っとるけん。もちろんバンドでやけどな…。」

「あっはっはっは!!」
「な…なにがおかしいと!?」

あたしは突拍子もない台詞にお腹が痛くなるくらい笑ってしまった

彼は鳩が豆鉄砲を食らったような顔でこちらを見ている


「いや…いきなりそんなこと言いだすもんだから何がおきたんだと思ってさぁ…。」
「お…俺は真剣とよ…」

「わかったわかった!!」

なんだかなんにも考えてなさそうな彼が意外に先のことまで(しかも真剣に)考えてくれていたことが嬉しい反面なんだか可笑しくて大爆笑…

「じゃあちゃんと頑張ってよね!そういったからにはあたしゃあんたのケツを容赦なくたたくわよ?」
「な…なんでそうなるん…。」
「まぁあたしにこの人でよかったって思わせられるようにせいぜい頑張ってくださいな!」




二人分のにぎやかな会話がバスルームに響き渡っていた
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