●SOUTHPARK●
□まるで君は天使のようで
2ページ/3ページ
「カイル喜んでくれたかなぁ。」
家路の途中ケニーはそっとつぶやいた
ふいに見上げた空は白く曇っていて今にも雪が降ってきそうだ
「どんな顔したのかなぁ。」
冷たい風が優しく頬を撫でていく
気持ち良くて目を閉じて深呼吸した
「見たかったなぁ…。カイルの笑うか…」
ドスン
背中に鈍い衝撃と激痛を感じてアスファルトへと倒れこんだ
カランカランと音を立ててナイフが落ちる
激痛のしているあたりに手をやって放すとべったりと真っ赤な血液が付いてきた
「あーあ…なんだよコレ…マジ勘弁してくれよ。」
振り替えると中年くらいの小太りの男が悲鳴を上げてその場から走りさるのが見えた
ああ…あんな客もいたっけなんて激痛の中後ろ姿を見て思っていた
「なんだよーもう…クリスマスに死ぬとか僕すごい親不孝じゃん。まいったなぁ…。」
仰向けに寝転がると肩で息をしながら痛みと戦う
街から流れてくるクリスマスキャロルが聞こえる…
何だかんだでカイルは優しいから僕が死んだって聞いたら悲しい顔をするだろう
大丈夫
いつものことだろ?
またすぐに会えるから
だから君は笑ってて
天使のようなその笑顔で
「あーあ。見たかったなぁ…カイルの笑う顔…」
メリークリスマス
カイル