オリジナル小説

□認識の違い
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あれから7年
俺は小学1年生になっていた。

今は5月。
入学式も無事に終了し、まだ慣れない新しい生活を新しく出来た友達と過ごしている最中だ―――ったハズだ。

しかし、俺は入院している。
毎日毎日、診察、治療の繰り返し。
お見舞いに来るのは、幼なじみと両親と兄と弟くらい。
しかも、みんなお見舞いに来る度に本(所謂小説に分類されるもの)ばかり持ってくるもんだから、俺の病室には本が溢れている。
…正直本は嫌いだ。
どちらかと言うと『俺』は体を動かしたりする方が好きだ。
が、体がそれを許してくれないし、周りも許してくれない。
ちょっと病院内にある中庭を1人で散歩するのさえ許してくれず、いつも誰かが側についている。
必要がないというのに、車椅子を持って。
曰わく、無理はしないで欲しい、だと。
過保護過ぎるだろ。
適度に運動して体力つけないと、いつまでたっても治らないだろうが。
そう主張した所が『健気な』とかなんとか言われるだけだった。
…何が『健気』なんだか。
別に親の為とかじゃなく『俺』が快適ライフを送る為なんだけどな。


これも『俺』とみんなの認識の違いのせいで生じる差だ。
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